熊本県荒尾市

地域資源を活用した取組

熊本県荒尾市

地域資源を活用した取組

熊本県荒尾市 オリジナルプログラム


小岱山の里山資源や有明海の干潟資源を活用したオリジナルプログラムにより、体験・交流を推進し、交流人口の拡大を目指しています。山のツアーとして森林インストラクターが山菜や野草の紹介をしながら、摘み取り体験を実施したり、夏にはマジャク釣り体験を行うなどしています。

世界遺産を軸に交流人口の拡大を目指す


明治の頃の技術の粋を集めて建造された日本最大規模の2つの竪坑を持つ「万田坑」は2015年7月に「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として世界遺産への登録されることとなりました。この世界遺産を資源とした観光にも取り組んでいます。 世界遺産・グリーンランド・干潟(マジャク釣り体験)と地域資源を活用した取り組みが数多くあります。

Interview



Kumagai Taishi

熊本県荒尾市役場に訪問させていただき、ご担当のみなさまに、地域の取組をインタビューさせていただきました。その様子を、ご紹介させていただきます。 ご参加頂いた方です。西卓也(産業振興課観光推進室)有働康之(産業振興課商工・企業誘致推進課)平山裕也(政策企画課副主任)。私達は古川亮太と熊谷大志がお聞かせいただきました。

Kumagai Taishi

本日は、業務ご多用の中、調査のインタビューをお受けいただきまして、ありがとうございました。事前にお送りさせていただきました。どうぞ、よろしくお願いいたします。

こちらこそ、どうぞよろしくお願いたします。また、この度は、遠くからお越しくださいまして、ありがとうございました。どこまでお役に立てるかわかりませんが、何かの参考になれば、幸いです。

Nishi

Kumagai Taishi

九州最大級の遊園地であるグリーンランドや、世界文化遺産の万田坑があることで知られている荒尾市ですが、まずは地方創生への考え方をお聞きしてもよおろしいでしょうか?

はい。これまでは総合計画に沿って第一期として国の指針である6本の柱に基づいて取組を行ってきました。第二期では時代の潮流に合わせた取組を進めていく考えです。内容が広く万人に受けるものでなくても構わないのでニッチの方へ特化できたらと思います。従来は仕事を作り、そこに人が来る、と言う通念で活動してきましたが、やはり現状、人はいないです。なので、今の方向性としては、市内の生活のしやすさを尖らせて、転出しない・住みたくなる市を作っていくことが重要だと考えております。

Hirayama

Kumagai Taishi

なるほど。転出をさせない地域振興の取り組みですか。 また、今、お話しを聞いていて、「時代の潮流に合わせた取り組み」とお話しされていましたが、これはどういったものでしょうか?

大きく分けて2つあります。1つは働き方改革がなされている今だからこその企業誘致。もう1つは最先端の技術を使用した取組です。

Hirayama

Kumagai Taishi

まさに時流の取り組みですね。気になります。それぞれもう少し詳しくご説明いただけますでしょうか?

はい。ではまず。企業誘致の取り組みから。私、有働康之と申します。産業振興課商工・企業誘致推進課で長年企業誘致を担当しております。まずは荒尾市の歴史と企業誘致は深い関係がありますのでそれについてお話しさせていただきます。 時代を遡りますが、荒尾市は三井三池炭鉱の街として発展してきた歴史がありあます。当地域では江戸時代から石炭の採掘が行われていたのですが、1889年に三井財閥が参画し本格的に払下げられました(石炭の採掘)。実はその際、町の主要産業である石炭産業をはじめ、水や土地の整備などもほとんど三井財閥が担っていました。この影響で当時は荒尾がベットタウンとなり、周りの県(大分など)は三井財閥の

Udo

Kumagai Taishi

なるほど。

直近過去5年間のデータでは、投資総額約128億円で、9社の誘致に成功しています。新規雇用者は249人ほどです。平成30年には雇用が生まれそうな産業(IT関連)にシフトし、計2社(新規雇用165人)の誘致に成功しました。内容はテレワーク・貸し工場です。これが、先ほどお話しした「時代の潮流に合わせた取組」の1つです。

Udo

Kumagai Taishi

誘致する企業をIT関連にしたんですね。時流に合わせた、とても早い取り組みですね。

このような多くの企業誘致の成功背景には三井物産の影響があります。鉱山で撤退はありましたが、現在もなお、荒尾市は三井グループとつながりを継続していただいております。市内にも三井グループの土地は多くあります。企業誘致の面では三井物産を通したご紹介や三井物産が出資している会社等にお越しただいています。

Udo

Kumagai Taishi

これだけ、企業誘致に成功しているのであれば、人口面でも効果があるんじゃないんですか?

効果はあるかと思いますが、それでも人口減少は食い止められていない状況です。人口は減っていますが他都市に比べ微減のため、人口減に企業誘致が歯止めをかけたと言う実感はあります。また、実際に、整備開発した住宅はすでに住人の方で一杯となっている状況です。

Udo

Kumagai Taishi

そうですか。この人口減少の要因はどのようなところなんでしょうか。

これは、やはり若年層の流出によります。なので、冒頭でも述べさせていただいたように荒尾市としては、市内の生活のしやすさを尖らせて、転出しない・住みたくなる市を作っていくことを進めております。

Nishi

Kumagai Taishi

よくわかりました。それでは、次に「最先端の技術を使用した取組」のご説明していただけますでしょうか。

はい。地方における高齢者の方々の移動というのは多くの自治体で抱えている課題かと思います。この課題に対して荒尾市では「AI相乗りタクシー構想」があります。

Hirayama

Kumagai Taishi

AIタクシー。驚きです。

元々バスや道路整備など交通便は充実しているのですが。高齢者の方々からしたらですねバス停に行くまでが大変など根本的な部分に課題があります。また、近年、免許返納が高まった社会的環境があります。これらの要因から本構想が始まりました。別々に予約した複数の客を一緒に乗せ、人工知能(AI)を活用して効率的に目的地へ運ぶ「相乗りタクシー」です。 試運転では、利用者の方々の反応も良く、相乗りに対しても摩擦がなかったです。今年度の10月導入を目標に進めております。

Hirayama

Kumagai Taishi

最先端ですね。

他にもあります。 魔法の鏡というものはご存知でしょうか?

Hirayama

Kumagai Taishi

すみません、初めて聞きました。何ですかそれは?

鏡を見ると血流など健康状態が表示される鏡のことです。東北大学と連携させていただき共同で進めています。三井物産のお力を借り東北大学とはつながりました。今後も先端技術の活用をどんどん行っていこうと考えております。

Hirayama

Kumagai Taishi

すごいですね。 荒尾市の働き方改革がなされている今だからこその企業誘致。最先端の技術を使用した取組。ご説明ありがとうございました。 最後になりますが、荒尾市の今後の展望をお聞かせいただけますしょうか?

荒尾市では「将来を担う子どもたちへの投資」、「地域経済の成長に向けた取組」、「健康・長寿の暮らし実現」を進めていきたいと考えております。熊本県北の玄関口として、「住みたいまち」、「訪れたいまち」を目指してがんばっていきます

Nishi

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